女性がいきおくれる典型的な例

私がいた業界、こういう女性、かなり多いんだよね。


あくまで例だけど。でも一例じゃない。結構なサンプル数がこれに該当する。これが全体の姿だとは言わないけれど、当たらずとも遠からずなんじゃない?

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キャリアを積む方向の女性が増えた。時代は男女共同参画だし、戦力になる女性を産業に取り込もうって話は、それだけなら別に悪い話じゃない。むしろいい話だと思う。


そもそも男女問わず、低収入な人が増えた。こんな時代だからこそ、女性は職をもっていなければ先行きが危なくて仕方ない。


だから、ほとんどの人は最初から専業主婦を目指すなんて考えは毛頭なく、男性と同じく女性も割とキャリアを目指して働く道に入ることになる。


かくしてキャリア志向となった大多数の女性は、大多数の男性と同じ道を歩くことになる。


しかし、残念ながら就職難ということもあり、希望した職種につけなかった女性もいる。望んだ職じゃないため、見切りをつけるのも早い。結果として彼女たちは早々に結婚・出産と軌道修正が早く済む。


問題は、本人が望んでその道に入ったり、仕事にやりがいを感じている場合だ。仕事が楽しいと思うこともあるだろう。給与だってそれに応じた給与が手に入るわけだし、きっとそれなりに充実しているのだろう。


もちろん人並みに恋愛もする。若い女性なんだから、当然いろんな男から声をかけられるだろう。魅力的なのがいれば、付き合ってみることもあるだろう。


だけど、結婚と出産は後回しになる。なぜなら、それほどの財力がないから。まだ給与は安くて男性の側が女性を丸抱えすることができるほどの財力がない。下手をすると非正規で仕事が安定していないことさえある。


それに、やはり結婚と出産は基本的にはセットだ。女性は、出産関連でどう頑張っても一度最前線から離れる必要がある。下手すると1年くらい育児休暇を取らざるをえない場合だってある。


当然、その間の収入はない。男性に丸抱えしてもらうしかない。それが難しい以上、簡単には結婚には踏み切れない。


こういう不利な状況で無理に結婚、出産をしなくてもいいわけだし、近頃は晩婚化が進んでいて、20代のうちに結婚・出産しないのは別に自分だけじゃない。仕事は楽しいし、このタイミングで戦線を離脱するという選択肢は、選ぶのが難しい。


20代のうちは、こんな形で過ぎていく。


32〜33くらいになると、自分が歩んでいるキャリアの行く末みたいなものが、大雑把に見えてきてしまう。会社の出世競争で破れることも往々にしてあるだろう。


ここらへんは同じレールにのっているせいで、男性であっても女性であっても同じことがおきるのだろう。上のキャリアにいけるのは極少数で、それは男女かわりがない。


能力が高いことも重要だが、それ以外にも政治が出来たり、上の覚えがよかったりしなければ、上層部に食い込むことは難しい。


男性の場合、自分の出世街道がある程度見えてしまったとしても、他に選択肢がないから、そのまま折り合いをつけて、働き続けるしかない。


もし結婚して子供でもいたら、毎月給与を家に入れる責務を放棄するわけにいかないため、自分に向いてない、楽しくない、やりがいがないとわかっていても、仕事を続けるしかない状態になる。


自分がそれほど上を目指すことに拘れないとわかった大部分の女性キャリアはどうするのか?このとき初めて、キャリアを目指す以外の選択肢の存在を、真面目に考えはじめる。


キャリアを目指すといっても先は知れていて未来を感じないわけだし、朝から晩まで神経をすり減らしながらフルタイムで働いても実は大した給与がもらえるわけでもない。


ここで家庭に入ることも視野に入れつつ、とにかく、結婚・出産の方向に舵を切る女性がたくさん出てくる。


このとき、彼氏なりがいれば、強引に結婚に踏み切ることもできる。問題なのは、特に決まった異性がいない場合だ。婚活と称していろいろな行動をしてみるが、女性の結婚市場において、年齢が自分の想像以上に不利に働くことを、ここではじめて自覚する。


女性が結婚相手には財力を求めたいのは、20代でも30代でも違いはないと思うが、男性は結婚には若さを求める傾向がある。このミスマッチのせいで、20代のライバルを押しのけて結婚にこぎつけるのは、容易なことではない。


結婚相手にもとめる条件を減らしていくことはできるだろうが、財力という条件だけ簡単には落せない。なぜなら、自分がキャリアをある程度諦めているからだ。パートナーに財力がないのであれば、もう浮き上がる目がないのと同義だ。


だから、イケ面だとか学歴だとかは妥協できたとしても、相手の稼ぎにだけは妥協できない。しかし、いまの世の中、財力がある独身の男性というもの自体が、非常に少ない存在なので、これを妥協しない限り、話がまとまることは難しい。


第一、男性は自分の財布を当てに接近してくる女性に対して、それを鋭く見抜く場合が多い。ゴールが結婚となっていれば、なおさら敏感に反応する。彼らが多少アホだったとしても自分の財布目当てではない若い20代の女性と結婚したがるのは実に道理な話だ。


かくして、なかなか成果がでない婚活をしつつ、どんどん時間がすぎていく。35を過ぎたあたりで、結婚市場において、いよいよもって追い詰められてくるが、どうしようもない。


ちなみに都合よく彼氏がいて、結婚にこぎつけたとしても、その先に不妊症との戦いがあるようだ。
こちらも年齢的なリミットがあって、実際深刻な話が多い。

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上のはあくまで例だけど、でもさ、メディアも含めて、社会が少子高齢化について真面目に取り組もうという気が感じられないのはなぜ?


男女共同参画とかキャリアとかやたらともてはやすけれど、晩婚化については何もテコ入れしないよね?今時の女性のライフプランについては、なぜ誰も何もいわない?


よくメディアにでてくるキャリア志向の女性有名人( 大抵はキャリア志向の成功者 )は、本当に大多数の女性の代弁者たりうるのだろうか?


大体さ、女性の活力を生かしたいなら、20代のうちに結婚・出産を行って、その後子育てがある程度済んだ、40代の女性をいかせばいいんだよ。もう出産も終えてるんだから、双方WIN-WINのはず。


結婚市場の非情な現実とか、不妊率が年々あがっていく出産についての具体的なリミットや、パートナーとして男性に望む条件が非現実的であることを、誰も伝えないのはなぜ?


もちろん、結婚や出産だけが幸福だとは言わない。そうじゃない人生があっても全然いいと思う。ただ、みんな、よく考えて、望んでこの状況を選択したんだろうか?


私の周りだけをみる限り、とてもそうは思えないんだよね。


彼女たちは、どうすべきだったのだろうか?自分の人生である以上、自己責任には違いないが、それにしても、あまりにも救いがない。