公立小学校の保護者会に参加すると、デジタルデバイドと社会の縮図を感じずにはいられない

このブログをみることが出来る人にはピンとこないかもしれない。みなさんはこのブログをスマホかPCで読まれているでしょうから。


学校行事に役員のお母さんが同行して、自前のカメラで子供たちの写真をたくさん撮っていた。お母さんは善意から、欲しい人に写真を配布したいのだけど、と同じ役員の私に相談しにきた。


写真があるなら、欲しがる親もいるだろう、というか自分の子供が写ってるなら欲しいと思うのが人情だろうと、役員全員でなんとかうまく配布できないか?を模索することになった。


パっと思いつくのは、FacebookTwittermixiのようなSNS、あるいはDropboxのようなサービスでパスワード制御つきの場所を作って、そこに写真データを置く。後は勝手に持っていってとアナウンスするやり方だ。


私が仲間内とか同僚とかと大して重要じゃないデータのやり取りするときに使う常套手段だ。私を取り巻く日常では、これで何の問題もない。


でも、この方法は他の役員にすぐに却下されてしまった。PCを持っていない家、スマホをもっていない家がある。この方法では彼らに配布が不可能だからだ。


SDカードに書き込んで回覧、CD−Rに焼いて回覧、メールに添付して送信、等、いろいろなアイデアが出るが、クラスの40人全員に対して、トラブルなく配布が可能という条件がなかなか整わない。


いっそ自前のプリンタで印刷して、それを配布という話になったが、印刷品質にケチをつける親、実費を払うのを嫌がる親がいる、お金の徴収の面倒という理由で、このアイデアも却下。


そもそも、行事に随行したお母さんは、写真を撮影することを業務として行ったわけではなく、自分の子供を撮るついでに、クラスの子供たちも撮ったというような状態だ。


残念ながら、ロクに写ってない子供がいるかもしれないし、やたら写りまくってる子供もいるだろう。うちの子供が写ってない!と文句をいう親が出てくる可能性も否定できない。


話しているうちに、みんなの熱が冷めていくのがわかる。とにかく面倒すぎるのだ。みんなが段々ため息をつくようになってくる。この手の話には前科がたくさんあるのだ。


クラスの保護者全員に一斉に情報を配信する目的でメーリングリストを立ち上げたが、結局うまく機能していない。


迷惑メール設定で届かない親、頻繁なメアド変更で配信不可能な親などがたくさんいて、きちんと情報が届かないのだ。結局、昭和から存在する緊急連絡網+電話という形に逆戻りだ。


役員は持ち回り交代制なのだが、文書などについては引継ぎがされずに消失する年がある。


理由は、自宅にPCがない、もしくはPCがあってもワードがない人が役員になると、その人が役員になったときに、引き継いだデータ等が破棄されてしまうからだ。


破棄された年の次の役員は、全く同じ文書をうろ覚えの記憶を頼りにワードで再構築するハメになっている。本当に非効率この上ない。


しかし、どうしようもない、これらはすべて無報酬のボランティアなので、原則としてケチをつける筋合いではないからだ。


ただ、あまりにも非効率な上、文句ばかりが多く、協調性のない保護者たちを見ていると、これが日本の社会の縮図か、と思わざるを得ない。


結局、写真の配布も公式に役員が音頭をとって、というやり方自体をやめるという結論になった。


役員の親しいお母さんに口コミでデータを渡して、さらにそこから口コミでデータを渡して、というアナログな方法が一番無難という結論になったからだ。


この方法では、データを受け取れないお母さんが出てくるかもしれない。救済策として、ある程度浸透した後、PTAだよりでまだ入手していない人は、私まで連絡をくれ、と告知することにした。


各家庭なりの事情があるのは仕方ないが、今時、テレビや冷蔵庫や洗濯機がない家はないだろう。パソコンやインターネットも、早くそうなって欲しいものだと切に思う。役員をやってる身としては。