親が子供のおかれている状況を見誤ってしまう実例 スイミングスクール編

本当はあまり書きたくないけれど、これは私の実体験です。


悪いのは、主に私だった。お前は親失格だといわれるかもしれない。そんな話です。


うちの子供の話なんだけど、下の子供は小学校1年生。


あまり普段は運動しない子供であることや、親としては泳げるようになっておいたほうがいい+本人がプールにいって泳げるようになりたいという理由で、子供をスイミングスクールに通わせている。


このスイミングスクールの名前はあえて出さないが割と大手なのだけど、私はこのスクールに対して今現在も強い不満をもっている。


どうして強い不満をもつに至ったか、経緯は以下のとおり。


本日、下の子供が進級テストに合格した。しかし合格するまでなんと7ヶ月かかった。実はその前も進級するのに5ヶ月かかっている。


つまり2階級あげるのに丸1年かかっているわけだ。で、現在できるようになったのが、けのび、バタ足10mという状況。


スクールに通いはじめた1年前、最初のうちは、まだ幼稚園だし、まあ仕方ないか…なんてのんびり構えていたが、3ヶ月、4ヶ月たっても合格しない。


段々と、スクールのカリキュラムや指導方法に疑問を持ち始めた。


一番疑問に感じたところは、進級テストで不合格だった時に、なぜ不合格だったのか?どこが問題だったのか?当然、本人に説明があってしかるべきだと思うのだが、それが本人に全く周知されていないことだった。


着替えを終えた本人に合否を確認して、不合格だと分かったとき、「なぜダメだったのか?コーチにちゃんと聞いた?」と確認をしても全く要領を得ない。「よくわからない。」という状況。


本人が自分の泳ぎについて、どこが問題なのか?をわからないまま週1回の練習をしているわけだ。これじゃうまくなるわけがない。


4ヶ月目のテストで不合格となった時点で、今の練習では指導が足りないのかもしれない、と考えて、月4回、約6000円の通常のカリキュラムのほかに、土日にお金を払うことで指導してもらうことが可能な個別レッスンを申し込んだ。


これは1回30分で約3000円もするものだが、これを5ヶ月目の進級テスト前の土曜日に申し込んだ。効果はてきめんで、5ヶ月目の進級テストで無事合格したのだった。


次の級にあがって、また不合格の日々が続く。相変わらず本人はなぜ不合格だったのか?についての説明ができない。


進級してから3ヶ月目の進級テストで不合格だったと聞いて、なぜ、コーチに説明をきちんと聞いてこないのか?と子供に怒るようになってしまった。


最初は残念だったな、次頑張れよ、と励ましていたのだけど、何度、コーチに理由を聞くように言っても聞いてこない子供に対して、真面目に取り組んでいない、と思うようになったからだ。


言い訳するわけではないが、うちの下の子供は、自宅での普段の生活は、ハッキリいって、あまり人の話を聞いていないことが多い。


本人のマイペースな性格というのもあるとは思う。もちろん、これも私たち夫婦の躾に問題がないとはいえないだろう。


こんな状態だと小学校の成績もさぞかし、と思いきや、テストは100点を連発。1学期も2学期も体育を除くすべての教科のすべての一番良い評価をもらっている。


聞くべきときは、聞いてないようで聞いているのかもしれない。


しかし、スイミングスクールの観覧席に座って、上から見ている分には、自分の番がまわってくるまでの待ち時間では、明らかに同じ級の子供とふざけっこをしているように見える。


親としては、コーチが話をしているときは、ちゃんとコーチの話を聞きなさい、と注意するようになった。


進級してから5ヶ月目のテストで不合格となった時点で、うちの子供にも問題はあるのだろうが、このスクールにも何か決定的な問題があると思うようになった。


相変わらず、子供はなぜ自分が不合格だったのか?についてコーチからきちんと聞いてこない。


このあたりから、子供も自分は泳ぐのが向いてないっぽいと、口に出していうようになりはじめた。今度こそと思ってテストに臨んでも、おちてしまうことが前回は5回、今回もすでに5回も続いているのだ。


私も子供に対して知らず知らずのうちにプレッシャーをあたえていたのだと思う。


通い始めの頃のように、子供はスイミングスクールに積極的に行きたがらなくなった。やめたいとまでは言わないが、気が進まないというのは見ればわかる。


ただ、ここでやめたら、子供が「自分はダメな奴だ」と自分で自分にダメ出しをしてしまう、と考え
ここは踏ん張りどころだと思った。子供を励まして、もうちょっとだけ頑張ろうと後押しをした。


ひょっとしたら、これも子供に対してプレッシャーになっていたかもしれない。


6ヶ月目は、ただ漫然と見学するのではなく練習の様子をつぶさにチェックするようになった。ビデオカメラをもっていって、トレーニングの一部始終を録画して、何度も観察してみた。


そして、わかったのは清清しいくらいの詰め込みベルトコンベアー状態だということ。週1回、60分のトレーニングなのだが、各クラスはコーチ1人につき、指導する児童が10〜12人もいる状態なのだ。


60分でも実際には自分の番がくるまで並んでいるだけの時間がかなりあって、ロクにトレーニングできていない。


この薄い内容に対しての月謝は約6000円。月4回なので、1日1500円という内容になっている。しかし1500円払って、正味60÷10=6分しか泳げていないという状況は、いくらなんでもあんまりだ、と思った。


確かに待っている間にもコーチは説明や指導をしてることもある。きちんとコーチに耳を傾けて、それを聞いている子供は、この条件であっても、それなりに上手くなり進級していくかもしれない。


だが、ウチの子供の場合、自分の番以外は完全にふざけて遊んでいる状態で、当然、前の自分の番だったときにコーチから言われた注意点は忘れてしまっているのだろう。


進級テストで落ちたときに、子供になぜ落ちたのか?について周知しないのも強い不満だった。


これらの状況をある程度把握した状態で、スクール側の支配人にアポイントをとって私たち夫婦と支配人とで直接話をすることにした。


話の流れはこういった感じ。

・なぜ、自分が落ちた理由を子供自身に周知させないのか?子供が問題を自覚しないまま練習していても意味があると思えない。

→きちんと話はしている。ただ、次のレクチャが始まるまでの時間が10分しかない状態なので、人数も多く一人あたりの時間が少なくなってしまっている可能性はある。

→それはどう考えても、スクール側の都合である。人数を多く設定しているのはスクール側であり、保護者側がその状況を望んでいるわけではない。

→おっしゃるとおりです。善処します。

→子供に伝える時間がないのであれば、親に電話をして伝えてくれれば、それで何の問題もないのに、なぜそれをしないのか?

→3ヶ月連続で不合格だった場合、子供の自宅に担当コーチから電話をして、親に直接なぜダメだったのか?を伝えることになっている。

→そんな電話、ただの1回もきたことはない。話自体もはじめて聞いた。

→これから連絡を徹底させます。


・このスクールのカリキュラムは、大体どれくらいで1階級あがるように組まれているのか?

→通常カリキュラムは3ヶ月で1階級あがるという体で作られているが、当然個人差があり倍くらいの時間がかかってしまう子供もざらにいる。

→ある程度は仕方ないとは思うが、それにしても限度はある。前の月と比べ何が進歩したのか?何が問題なのか?を知るすべがなければ、こちらとしては何の進歩もないという判断以外しようがない。

→先ほどの電話連絡を徹底させます。


・1クラスに10人も詰め込まれているのは、無理があるのではない?

→人数が多く、指導に十分な時間がとれていない現状があります。

→だったら改善してください。

→上層部に伝えます。


といった感じで、要するに今の金額で出来るサービスはこれだけだから、不満なら他所に行けば?という話がアリアリと感じた。


帰宅後、夫婦でいろいろ話し合った。

・スクールのあり方自体は、明確に×。

・しかし残念ながら、他のスクールが近場には存在しない。選択肢がない。

・スクールには子供の同級生なども通っている。今ここでやめると、子供は強い挫折感と劣等感を感じるだろう。それだけは避けたい。


次に子供と直接話をした。

・習い事でお金がかかることだから、真面目に取り組んで欲しいし、泳げるようになって欲しいと思ってる。

・親としては、ここは踏ん張りどころだと思う。もう1ヶ月だけ頑張ってみない?

・もう1ヶ月だけ頑張った後は、どうしてもやめたいのであれば、いつでもやめてもいい。

という主旨のことを話した。


子供は
・ここで諦めたくない。友達も通っているし、負けたくない。頑張って泳げるようになりたい。
と話した


親としては、子供にやる気があるうちは続けよう、という結論になった。


重視すべきは

・子供が泳げるようになること
・子供が自分で達成感を感じること

だけど

・スクールの現在の指導は、うちの子供には明らかに向いていない。
・何か条件を変更しない限り、この状況は変わらない。

のも確かだった。


出した結論は、金で良質な指導を買うしかないというものだった。


今月、1回30分、約3000円の個別レッスンを上達具合をみて、土日に次々といれた。


コーチと1対1での30分みっちりの指導は、やはり密度が違うのと、指摘された問題をすぐにリトライできるせいだと思うが、子供は1回のトレーニングで、上達が明確にわかるほど、どんどんうまくなった。


これを繰り返して、今日、進級テストに望んで、見事合格を勝ち取ってきた。


もちろん、よくやった、と思い切り褒めた。


今後は、通常のカリキュラムは単にハードルとして達成感を感じるためのものとし、トレーニングの中身は、個別レッスンに求めることが確定したのだった。


もちろんお金はかかるけれど、きちんと成果が出て、本人の自信につながるなら、問題ではない。


今回の件は、反省すべき点が多数ある。

・やはりよく観察していなければダメ。丸投げはダメ。子供にあってない指導方法であることに気がつくのに時間がかかってしまった。

・しかも、子供の側に問題があると自分が思い込んでいた。

・子供が不合格を連発して自信をなくしていく状況が知らず知らずのうちに作られていた。

・おそらく子供に過度のプレッシャーを与えていた。


まだ自覚していない反省点があるかもしれない。しばらく親としての自分のあり方を自問自答する日々が続きそうです。


この記事の1年後に書いたスイミングスクールとか習い事に関する記事
スイミングスクールとかスポーツ系の習い事に通わせるなら、親が知っておくべきことは5つあると思う。 - しんじろう(仮)の日記