結局、人間が一番不安定なパーツなのかもね
もう１５年くらい前のことだけど、会社の仕事が深夜１時に終わって、タクシー代がでるって話だったんで、会社の近くでタクシー拾って家に向かった。
仕事で疲れて眠たかったから、うとうとと眠っていたら、ゴーゴー音がするので目が覚めたんだよね。その音は、居眠り運転して蛇行してるタクシーがセンターラインを踏んだ時にでる音だった。
すぐにヤバイって気がついて、運転手の座席を後ろから蹴って、「寝てんじゃねえ！起きろ！」って怒鳴ったら、運転手が「あ、やべえ、すいません、すいません」とかひたすら謝るわけ。
すぐにそのタクシーを降りたかったんだけど、家まではまだまだ遠かったんで、しばらく我慢して乗ってたら、まーた居眠りはじめてフラフラ走るもんだから、「ふざんけんじゃねえ、おきろ」って頭を殴って、車を止めさせた。
家までまだかなり遠かったし、すぐに新しいタクシーを拾える可能性はない場所だったんだけど、こんなタクシーにのってたら本当に死んでしまうと思って、即座にそこまでの料金を支払ってタクシーを降りた。
再度タクシーを拾うのに大苦戦した。深夜１時すぎにタクシーが拾える駅まで１時間以上歩いたんだけど、本当に最悪の思い出だよ。もちろん、後日、タクシー近代化センターへの通報もしておいた。
マレーシア航空ＭＨ３７０便の事件でハイジャック説、もしくはパイロットが犯人説が出てきたときに、上のエピソードを思い出したよ。
飛行機ってパイロットに何かあったら、もはやどうにもならない乗り物なんだなーと、今更ながらに思うよ。タクシーならすぐに降りれば死ぬことはないけれど、飛行機はそれができないもんね。
そういう意味でいうと、電車なんか本当に安全だよね。大都市圏の鉄道なんかだとＡＴＳっていう自動列車停止装置があるでしょ？
前の列車との距離が詰まりすぎると自動的にブレーキがかかって衝突を防止するって奴ね。あれって、運転士が心神喪失状態だったりした場合でも、事故を故意に起こすことができないもんね。
公共交通機関では鉄道の安全装置が一番先進的なのかも。
飛行機にもオートパイロットってのはあるけれど、パイロットが操縦桿を握って手動に切り替えたら、そっちが完全に優先されるもんね。
ハイジャック犯にのっとられたり、パイロットが心神喪失状態だったら、もう割とどうしようもないんだよね、飛行機って。
ＭＨ３７０便の事件の詳細を調べてて、そういう絶望的な場合でも、対処可能なシステムが飛行機に積まれるといいなと思った。
例えば、操縦室内にまともなパイロットがいないと判断された場合は、操縦室内の操縦装置がすべて切り離されて、機内の別の場所にある操縦装置が自動で飛行機を飛ばすわけ。
米軍の無人偵察機とか無人攻撃機ってパイロットがアメリカにいながら、衛星経由で飛行機と通信して、あたかもラジコン機を飛ばすかのように、世界中を飛ばせるでしょ？
あんな感じで、ハイジャックされたと判明した飛行機の手動操縦系をすべてカットして、ボーイングの本社からハイジャックされた飛行機を無線操縦で飛ばしてもいいよね。
んで、どっか最寄の米軍基地とかに着陸させちゃうわけ。
このシステムのいいところって、パイロットが自殺目的で飛行機を飛ばすとか、ビルに特攻目的でハイジャックするとかは、一切できなくなることだね。
考えてみると、自動運転とか自動操縦って、単に楽できるだけじゃなく、安全面でもかなりニーズがあるよね。人間が一番ミスをするんだしさ。居眠りとかマジで死に直結するし。
たまに高速道路で、高速バスが大事故を起こすでしょ？大概、運転手の健康面に問題があって心臓麻痺とか居眠り運転が直接の原因だったりするじゃん？
高速道路だけでも完全自動運転が可能になれば、運転手の負担もすごく軽くなるし、悲惨な事故もかなり減るんじゃないかなー。
実際、深夜の高速を運転していると、ふらふらと居眠りっぽい運転してるトラックとか乗用車って結構見かけるんだよね。あれって、本当に危ないし迷惑この上ないよね。居眠りタクシーだって、自動運転なら安心して乗ってられる。
まあ、それもこれも自動運転が完全に安全な技術なら、って制限がつくけれどね。機械の運転を９９．９９９９９％信用できる前提だけどさ。
でも、居眠り運転のタクシーを経験したことがある身としては、機械の自動運転のほうが信頼できる気がする。あれは本当に恐怖だった。
いくらシステムがいろんなバックアップをしてくれても人間がそれを台無しにするんだよね。
飛行機だってパイロットが心神喪失状態じゃどうしようもないし。最も安全という意味で準備がなされているはずの原発だって、非常用電源を津波に流されないように準備してなくてメルトダウンするんだし。あんなのどう考えても人災だよ。
結局、人間が一番不安定で信用できないパーツなんだよね。
