南極海での捕鯨が出来なくなったね

国際司法裁判所での敗訴なので、これに抗うのはなかなか難しいと思う。日本政府も従う方針みたいだね。残念だけど仕方ない。


この敗訴、どの程度織り込んでいたんだろうね?


というのも、現状を見る限り、正論でも感情論でも捕鯨に関して日本の主張が国際世論に通るとは思えないんだよね。


捕鯨に対する国際世論の感情論が、日本に対して超向かい風なのは誰が見ても明らかじゃん?


最近の欧米の「クジラは神秘的で崇高な生き物」キャンペーンは、かなり成功していて、捕鯨目的がどうであれ感情的に嫌悪感をもたれちゃうんだよね。


実際、これを何とかするのは事実上不可能に感じるよ。だってさ、あれって一種の宗教みたいなもんだから。まともに取り合っても徒労に終わるだけだよね。


経済的にも、タダで育った漁業資源を世界中の海で確保している日本に対しては、オーストラリアもアメリカもいい顔はしないんだよね。


今回の南極海は、オーストラリアにとっては自宅の庭先みたいなもんだから、どうしても反発が出るわけだ。


要するに本音は、うちの近所でクジラ捕るんじゃなくて、うちの肉を買えよってことだね。


もちろん、他国の経済水域の外で捕鯨しているんだから、なにか言われる筋合いは全くないんだけど、まあ、オーストラリアは南極の領有権を主張してる奴らだしね。


そういう意味でいえば、日本の経済水域で捕鯨をやってる分には、向こうもあんまり無茶はいわないと思う。というかそれをすると相手国の国民に非常に強い悪感情が起きることを普通は知ってる。


ほら、少し前にケネディってアメリカ大使がそれをしたでしょ?和歌山でやってるイルカ追い込み漁とか、人道的見地から非難してたじゃん?


あんな誰も得をしない行動を一国の大使がするなんてね。それだけ「クジラは神秘的で崇高な生き物」キャンペーンが浸透していて、一国の大使ですら勘違いしちゃうレベルなんだろうね。


靖国問題もそうなんだけど、その国の文化とか宗教とかに関する口出しは基本的にタブーなんだよね。それを無自覚でやっちゃうくらい、今のアメリカは劣化してるってことなんだろう。


話がそれたけれど、つまるところ、最初から勝つ見通しなんてなかったんじゃないってこと。


国際司法裁判は、一審制で控訴が認められない一発勝負だから、確実に勝つ算段がないなら逃げが正解だったんじゃないかな?


日本って外交において、勝つ見通しがなくても、もしくは意図的に甘い見通しで、勝負の土俵にあがっちゃう悪癖があるからなあ。


韓国は嫌いだけど、竹島問題で韓国は国際司法裁判で白黒つけるのをずっと拒否ってるでしょ?あーいうグレーゾーンでうまくお茶を濁す作戦は見習ってもいいと思うんだよなあ。


もちろんズルイやり口だと思うけれど、外交においてはそれで全然いいんだよね。


今回の相手はオーストラリアだけど、裏には欧米勢力、特にアメリカがいるのは、まあ間違いないと思う。オーストラリアってアングロサクソンが日本に圧力をかけるときの尖兵によく使われるしね。


ほら、ヤクザの脅しと同じ。大声で威嚇して恫喝する役と、まあまあってなだめる役に分かれてるでしょ?アレだよ。なだめる役が言う台詞が本命じゃん?


そういう意味では、今回の敗訴は、うまいやり方ではなかったとは思うけれど、まあ、あまり気にしなくてもいいとも思うね。


問題は本命のほうが何をいうか?だよね。やっぱTPP関連かな。